ロガーデータ回収2

kheperer2006-10-30



先日の続きのデータ回収。
今年のデータを見ると、梅雨時の長雨の様子がよく分かる。一方夏場の雨がとても少ない。光量も測っているのでいつ頃、植物が葉をつけて、また落としていくかというパターンも分かってきた。地道なデータ集めだが、この森の実態がよく分かりこれはこれで面白い。


ロガーケーブルにカバーをつけているので、昨年のようにかみ切られることもなくなった。ひととおりデータ回収ができた。


[2006.10.30:ロガー回収中にこちらをちらちらみていたカナヘビ]

ロガーデータ回収1

鳥調査終了後、ノートパソコン片手にロガーのデータ回収。
今日の午後は、民族自然誌研究会なので、急いでデータの吸い出しや、電池交換をする。そのうちV14に設置したロガーがうんともすんとも言わない。また故障かも知れない。次回交換するとしよう。

鳥類調査

テント泊が快適だった季節は過ぎさり、午前4時頃の寒くて眠れない夜を過ごす。やっと朝がきた。思わず祈りたくなる。昔見た映画、「生きてこそ」が脳裏をかすめる。夏用シュラフを持ってきたことをひたすら悔やむ。


鳥調査6:30スタート。
森の入り口でアオジらしき金属音的な鳴き声がする。しばらく粘るも姿は確認できず。いつもの種類に加え、ルリビタキ♀やシロハラが確認できた。冬鳥が帰ってきたようだ。イカルもいつもの美声を響かせていた。


今回の鳥15種、
アオジキセキレイ、スズメ、カワラヒワメジロヒヨドリヤマガラシジュウカラルリビタキ、ウグイス、オオタカシロハラ、カケス、コゲラハシブトガラス

ライトトラップ調査


夜は、「龍谷の森」で毎月恒例のライトトラップ調査。夜は冷え込みが強くなってきた。


こんな夜でも活動している虫がいる。今夜はヒメヤママユがたくさん飛んできた。里山の秋を代表するとても美麗なガ。光に集まってきても、しばらくすると体が冷え切ってしまったのか、全く飛び立つことができなくなる。飛び立つ前には、羽を小刻みにふるわして、飛翔筋を暖めるというウォーミングアップをする。触角を見ていると性的二型があるようで、オスの触角は顕著なくし状だが、メスは突起が少ない。


最近見つけた樹液の出ているコナラを見に行くと、コクワガタのメスが来ていた。10月末まで活動しているとは知らなかった。この森には樹液の出ているコナラがほとんどないので、冬支度がまだできていないのかも知れない。しっかり食べなはれ。



[2006.10.27: ヒメヤママユ]

伏見稲荷で鳥観察


今日はゼミで山の野鳥観察。フィールドスコープと双眼鏡を携え、伏見稲荷に出かけた。


この時期は、夏鳥が去った後でそろそろ冬鳥がやってくるころ。森の中を耳を澄まして歩くも、いつもの顔ぶればかり。コゲラが比較的多かった。メジロシジュウカラヤマガラコゲラの混群にも出会う。今年はドングリ類が生り年らしく、スダジイが大量にドングリをつけていた。生で食べるも粉っぽい。少しフライパンで煎ると栗のようでとても美味。ポケット一杯拾って帰る。


今日の鳥、
キジバト・ドバト・ヒヨドリハシブトガラスハシボソガラスメジロシジュウカラヤマガラコゲラ・スズメ・マガモゴイサギ

瀬田北小総合学習

kheperer2006-10-26



龍谷の森」に瀬田北小の児童約160人がやってきた。まずは室内でTさんと「龍谷の森」周辺の歴史や生き物の話を1時間半ほどする。


瀬田丘陵の北側に農業用水であるため池がたくさんある。これらのため池の歴史は古く、江戸時代にさかのぼる。しかも当時の設計図が残っているのだ。土地利用の移り変わりをパワーポイントで紹介し、最近の写真はgoogle earth人工衛星写真を使う。ついでに小学校の衛星写真を見せるとおおいに盛り上がった。


つぎにKさんも加わり、子どもたちを森で遊ばせる。今年はドングリの生り年なので、ドングリ拾い班・森の昆虫探し班・森の探検班の三班に分かれた。昆虫班の子どもたちを、それいけーと森に解き放つと、次から次へといろんな昆虫を集めてくる。朽木を崩して、コメツキムシやキマワリの幼虫なども掘り出してきた。最後に皆で集合し、収穫物を一堂に集めて品評会。


総合学習終了後にマレーゼトラップとウィンドウトラップを設置して長い一日が終了。

ナガエノスギタケ発掘

kheperer2006-10-21



ナガエノスギタケ(別名、モグラノセッチンタケ)なる、モグラやネズミのトイレから生えるキノコがある。これが「龍谷の森」で昨年見つかった。今日はこのキノコの公開発掘。龍谷大学環境サイエンスコースの環境フィールドワークの受講生や瀬田北公民館が募集した市民など数十人が参加。京都新聞毎日新聞の記者も取材にやってきて、大にぎわいだった。


モグラというのは、土の中に落葉を敷き詰めたねぐらをつくる。ねぐら近くにはちゃんと専用のトイレがある。ナガエノスギタケはこのモグラのトイレから生えるのである。つまり、ナガエノスギタケは、モグラの肥だめを養分として育つキノコなのだ。


この事実の発見者であるS先生が、昨年キノコがあった周辺を掘り進める。まず巣穴が見つかる。しかし、巣材の落葉は湿っており、いまは使っていない巣らしい。使用中の巣材は乾燥しているとのこと。


次にキノコの真下を掘り進める。モグラのトイレがあるはずだ。土壌の一部が黒化している場所があり、ここがトイレらしい。しかし、すでに古い。使用中の場合は、かなり臭いと聞いたので、匂って見るが、ほぼ無臭。モグラはミミズや昆虫を食べる肉食獣なので、さぞ臭かったことだろう。


トイレ跡には、植物の根も張り巡らされており、いい肥料になっているようだ。こうやってみると、キノコや植物がモグラのトイレを浄化しているように見える。S先生曰く、生息地浄化共生だそうだ。このすばらしい物質循環システム、われわれの人間社会も学ぶことが多い気がした。


最後に落葉のボール状の巣を掘り出す。巣材には900枚くらいの落葉を使うらしい。寝床後からは巨大なカニムシが見つかった。ちゃんと調べれば、モグラの巣にしかいないような昆虫が見つかりそうだ。巣を取り除くと巣の真下にも坑道があった。これがモグラの巣の特徴らしい。穴のサイズからコウベモグラだろうとのことだった。「龍谷の森」ではヒミズをすでに確認しているので、2種はいるようだ。また穴を埋め戻して、今日の作業は終了。


モグラの巣を見るという貴重な体験ができた。