ライトトラップ調査

kheperer2005-05-09



5/7-8にかけてライトトラップ調査をした。ライトトラップとは、夜間に飛翔する昆虫の多くが灯火に誘引される性質を利用した誘引採集方法。2004年6月から毎月一回、調査している。


方法は2つ、IBOY式と幕張式。

  • IBOY*1式は、電池式の蛍光灯の周りに透明の板がついており、光に向かってきた虫がこの板にぶつかり、下部のバケツに採集される(下の写真)。これをタワー21m(林冠)と2m(林床)に設置して翌日回収。


  • 幕張式は、2mくらいの高さに蛍光灯とブラックライトをつけた白いシーツをはって虫がくれば逐次採集。


IBOY式に飛来したガの数は、タワー上部4個体、下部43個体と、下部の方が多様性が高い。これは1年を通じて同じ傾向だった。夜の林冠を飛び回る多様なガ類を期待したが、そうではないらしい。熱帯雨林ではどうなのだろうか。IBOY方式の調査なら、この比較が可能だ。


幕に来たガ類は先月に比べて多い。クロオビシロフタオ(写真)、マエキトビエダシャクやキドクガなどなど。時間帯によっても来る種類が違う。甲虫は、ヒゲコメツキの雄ばかりと胸の赤い小型のジョウカイボン(おそらくクビアカジョウカイ)とさらに小さいジョウカイボンのみ。個体数がとにかく少ない。サンプル処理が楽でいいんやけど、、、

*1:IBOYとは同じ道具同じ手法で生物多様性を調べる国際的なプロジェクト。亜寒帯(ロシア)から熱帯雨林(東南アジア)さらに南半球の温帯林(オーストラリア)までの調査の結果を、定量的に比較できる。詳細はこちらhttp://diwpa.ecology.kyoto-u.ac.jp/iboy.htm