野外実習


今日は野外実習で伏見稲荷に出かけた。午前はゼミで稲荷での生き物観察ルート開拓兼鳴く虫観察、午後は講師のSさんと一緒に講義「日本の自然」の野鳥と秋の鳴く虫を観察する野外実習。


午前中は、道すがら植物や昆虫の説明をする。タラヨウ・ヤブツバキ・シイ・クスノキなどなど、植物はいつもそこにあるので説明は比較的楽だ。しかし鳴く虫の方は、まさに出たとこ勝負。今日はカネタタキが多かった。たまにツヅレサセコオロギやハラオカメコオロギが鳴く程度。林床植生の少ない林内にはほとんど鳴く虫はいないということだけが分かった。次回はどこか広い草地にでかけてみたい。


午後は、カラ類の混群に出会う。ヤマガラシジュウカラメジロエナガが群れとなり、次々と通り過ぎていく。数十頭はいる大きな混群だった。次に池を見て回る。カルガモマガモゴイサギアオサギカワセミがいた。鳥以外では、アカミミガメ・スッポン・クサガメがいた。やはり水場があると生き物の多様性が高い。「龍谷の森」でも水場を作っているので、今後の生物相の変化が気になる。


あと午後は、カシノナガキクイムシにやられて、木くずの出ているスダジイを見た。このキクイムシは、ナラ・シイ類を枯死させる。このナラ枯れ現象はまさにいま、日本海側を北上中。その一部は南にも拡大し、京都では東山を南下し、ついに伏見稲荷にまで到達した。このあたりでも以前はマツ枯れがおもだったが、今後はナラ枯れが大流行しそうだ。すでに伏見稲荷では少なくとも4本で確認されている。うち2本が伐採済み、1本は現在すでに枯死、1本は生きているが木くずがちょうど出ている状態。早いうちに手を打たないと、ナラ枯れが一気に進み、大変なことになりそうだ。そんなナラ枯れ最前線を学生に紹介する。


「今日の鳥」
14種:カルガモマガモアオサギゴイサギハシボソガラスハシブトガラスヒヨドリキジバト・ドバト・ヤマガラシジュウカラメジロエナガカワセミ
「今日の鳴く虫」
カネタタキ・ツヅレサセコオロギ・ハラオカメコオロギ